今年(2014年)4月19日の新聞報道
国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で、入院中の女性(78)が検査で誤った造影剤を注入され、16日に死亡していたことがわかった。同病院が18日、発表した。届けを受けた警視庁は、業務上過失致死の疑いで捜査を始めた。
同病院によると、女性は腰や脚の痛みを訴え、1泊2日の予定で16日に検査入院した。痛みの原因を調べるため、同日午後2時ごろからX線検査を開始。その際に女性担当医(29)が造影剤「ウログラフイン」を脊髄(せきずい)に注入した。
検査は午後4時ごろに終わり、まもなく女性が両脚に痛みを訴えた。30分後には意識を失い、午後8時すぎに死亡した。その後、病院側は担当医がウログラフインを脊髄に注入したことを把握したという。
ウログラフインは尿路などに使われる造影剤で、脊髄への注入は禁止されている。担当医は同病院の整形外科で研修中の5年目の医師で、この検査をメーンで担当するのは初めてだった。担当医を指導する立場だった女性患者の主治医は現場にいなかったという。
本来使うべき造影剤を使わなかったことについて、担当医は「造影剤は脊髄用も同じだと思っていた」と説明しているという。18日記者会見を開いた、中村利孝院長は「重大な過誤があったのは事実。誠に申し訳ありません」と謝罪した。