労働」カテゴリーアーカイブ

労働組合の合同

(神奈川総合法律事務所だより2022年1月発行第64号に掲載した記事です。)

 私は、弁護士として、いくつかの分野の仕事に携わっていますが、これまでの労働組合側の代理人活動の経験から、県内外の複数の労働組合(産業別連合体、企業グループ労連、企業別組合、職能別組合)と顧問契約を結んでいただき、労働組合の組織運営や労使問題に関するご相談を、日常的に受けています。
 最近は、企業のM&A(合併・買収)が盛んですので、それに伴う労働組合の合同について、組合からご相談を受けることもあります。昨年は、2件の大規模な組合合同手続で、仕事をさせていただきました。

 労働組合の合同とは、2つ以上の労働組合がその存続中に1つの労働組合に統合されることです。組合合同の方式には、新設合同と吸収合同の2種類があります。
 新設合同は、甲組合と乙組合が合同して丙組合となることです。吸収合同は、甲組合が乙組合を吸収することです。 続きを読む

顧客等によるハラスメント

(神奈川総合法律事務所だより2020年1月発行第60号に掲載した記事です。)

 昨年(2019年)10月、京都で開催された日本労働法学会第136回大会において、ワークショップの一つに報告者の一人として参加させていただきました。テーマは「顧客等によるハラスメントと法的課題」でした。
 これは、一部の顧客等の迷惑行為によって、接客業務に従事している労働者の尊厳や人格権が侵害されている問題です。「カスタマーハラスメント」と呼ばれることもあります。

 流通業、サービス業の労働組合を多数擁する産業別労働組合であるUAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)が、接客対応に従事する流通部門の組合員を対象に2017年に実施した「悪質クレーム(迷惑行為)アンケート調査」によれば、168組合から49,876件の有効回答があり、その70%にあたる34,984人が顧客等による迷惑行為を経験したと回答しています。迷惑行為の中で最も多いのは「暴言」で、迷惑行為を経験した人の67%にのぼります。その次は、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」が39%、「権威的(説教的)態度」が36%、「脅迫・威嚇」が35%、「長時間拘束」が27%、「セクハラ行為」が13%、「金品の要求」が8%、「暴力行為」が5%、「土下座の強要」が4%と続いています。
 アンケート結果には、労働者の人格を傷つける酷い実例が多数紹介されています。 続きを読む