(神奈川総合法律事務所だより2018年9月発行第57号に掲載した記事です。注記を追加しました。)
今年に入り、不動産会社スマートデイズ(東京都)によるシェアハウスのサブリース事業の破綻が、様々に報道されています。
同社は、トイレや浴室が共用の賃貸住宅(「かぼちゃの馬車」というブランド名の女性専用シェアハウス)を次々と建て、家賃収入を得られる投資物件として販売し、購入者(オーナー)との間でサブリース契約を結んでいました(同社が一括借り上げして家賃収入を保証するという仕組みです)。
購入者は、銀行から購入代金の融資を受け、スマートデイズ社から入る家賃で融資の返済を行う予定でした。自己資金ゼロで不動産投資ができて、長期の賃料収入が約束されるという投資モデルでした。購入者への融資を次々と積極的に行っていたのは、スルガ銀行でした。
しかし、シェアハウスの実際の入居率は低く、スマートデイズ社は新たな物件の販売で得た資金を、保証した家賃の支払いにあてる「自転車操業」の状態だったようです。
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